課題:「お悩み訴求」が伸び悩んでいた
千葉市の美容室カミーユ様(オーナー1名運営)から、Instagramリール動画の運用支援のご依頼をいただきました。
当時の状況は、「白髪のお悩み、抱えていませんか?」のようなお悩みを煽る投稿が中心。月平均で約12本投稿していたものの、見てくれる人は増えず、4月の動画は1本あたり平均で131回しか見られていませんでした。
特に4月末には、5本連続で再生100回以下(最低51回)という暗黒期も。同じような文章の繰り返しが、Instagramの「おすすめ表示」から外れる原因になっていた可能性があります。
仮説:ペルソナと訴求の不一致
カミーユ様のターゲット顧客像を改めて整理すると、以下のような特徴が見えてきました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 年齢層 | 40〜60代女性 |
| 性格 | 本物志向・売り込み感に敏感 |
| SNS行動 | 見る専門・コメントせず、じっくり読む |
| 好む雰囲気 | 静か・落ち着き・親しみやすさ |
このような方々に対して「お悩み→解決」の直球な売り込みは、「広告っぽい」と感じられて、すぐ画面を消されていたのではないか。これが私たちの仮説でした。
実行:3つの方針転換
アメブロ連動の「物語型」コンテンツへ
サロンオーナーが書いている既存のアメブロ記事をベースに、動画用のストーリーへ作り直し。「沖縄ヘナ研修レポート」「コーヒーショップで褒められた話」など、お悩みを煽るのではなく、実際の体験談やお店の裏側を中心に伝えるようにしました。
AIアフレコ(オーナーの声クローン)の導入
オーナーご本人の声をAIで再現し、動画にナレーションをつけました。「文字を見るだけ」より「目と耳の両方で伝わる」ことで、じっくり見るお客様により深く届くようになりました。お客様の名前は出さない、押し売り感を出さないなど、誠実さを保つルールも併せて運用しています。
40〜60秒の中尺で「じっくり見せる」
これまでは20秒前後の短い動画が中心でした。ですが、カミーユ様のお客様は「じっくり読み込む方が多い」ため、短すぎる動画では物足りなく感じられていました。そこで、しっかり伝わる長さに変更しました。
結果:1ヶ月で大幅改善
| 項目 | 施策前(4月) | 施策後(5月) | 変化 |
|---|---|---|---|
| 1本あたり 再生回数の平均 | 131回 | 198回 | +51% |
| 1本あたり 届いた人数の平均 | 110人 | 163人 | +48% |
| 1本あたり いいね数の平均 | 14.0 | 16.8 | +20% |
| 過去最高の再生回数 | 206回 | 288回 | +40% |
| 投稿後9時間の再生回数(平均) | 約65回 | 約110回 | +69% |
| 再生100回以下の動画 | 4本(33%) | 0本(0%) | 完全消滅 |
特に印象的だったのが、「あまり見られない動画」がゼロになったこと。一番再生されなかった動画でも51回 → 157回まで底上げされ、毎回安定して見られるようになりました。
沖縄ヘナの産地まで行ったレポート動画が、再生数288回でアカウント過去最高。「裏側・想い」を伝えることが、いちばんの広告になると確信しました。
— きつねびより制作室学び:3つの気づき
① お客様像に合わない発信は伸びない
「お悩み→解決」は売れそうに見えて、本物志向のお客様には響きませんでした。誰に向けて作るかをまず固めることが、何より大切だと再確認しました。
② AIアフレコは「物語」とセットで効く
ナレーションを付けただけで全部が伸びたわけではありません。「お悩み訴求+ナレーション」は相変わらず伸びませんでした。動画の内容そのものと組み合わせて初めて効果が出ます。
③ 数字を見ながら改善する
「なんとなく」ではなく、データで判断するように。投稿後9時間で勝負がほぼ決まることも分かり、投稿する時間帯の見直しにもつながりました。